NPO法人運営研修 第5回 予算編成講座

NPO法人運営研修 第5回
予算編成講座

日 時:8月4日(木)13:30~15:30
場 所:さぽらんて 会議室
参加者:8団体(NPO法人)9名
講 師:平野雅彦(山口市市民活動支援センター次長)

収支予算とは?
収支予算にどこまで計上したらいいの?
消耗品10万円の根拠をどう示す?どこまで厳密に積算すればよいの?

そんな疑問を持たれたことはありませんか?
今回の参加者の予算編成の経験は・・・
□助成金申請の積算の経験 2人
□行政からの補助金の積算の経験 4人
□行政からの委託費の積算の経験 1人
□法人予算書の積算のみ経験 7人

続いて、予算規模ごとの積算についてたずねると、100万円くらいだったらなんとかできそうだけど、1000万円、3000万円となると不安、やってみないと分からないとう反応でした。この不安を埋めるのは経験でしかないのですが、講座を通じて積算に慣れて、不安意識がなくなればと平野からの説明が始まりました。

■予算主義
①NPO法人への条件
○当初のNPO法・・・収入及び支出は、予算に基づいて行うこと⇒削除(予算主義をどこまで採用するか法人運営の妨げになる場合もあると法人自治に任せる形に)
②事業展開での必要性
○貴重な財源をどう使うかの計画・・・収支予算をどう位置づけるかは、各法人の選択。
【予算主義】
予算主義は、厳密には予算額を超えて支出することは許されません。
変更権限については、定款の総会又は理事会の権能に記載してあり、必要な都度、上程することもできますし、柔軟性の確保、権限の明確化するために『申し合わせ事項』など条件をつけて理事会や事務局に委ねることも可能です。

■予算の意味
事業全体をシミュレーションすればするほど、事業の全体が見えてきて、事業計画との整合性のあるものとなる。前年度実績のない最初の積算が一番むつかしい。

■長所と短所
長所・・・年間の財源・支出の予定が見込めるほか、中期的な財源計画による経営・運営を行える。
短所・・・積算するのに労力がかかり、変更する場合にも、補正に手続きが必要となるため、予算執行や手続きに捉われ過ぎると相応性・柔軟性に欠ける。

■積算の信頼度
決算と大幅に違うと積算の意味なし。計画がアバウト。単価の信憑性がいい加減ということになる。
助成金などは、限度額にあわせて、経費をぎりぎりに抑えた積算となる場合が多いが、余裕をもった積算も必要。

■予算編成を体験してみよう!(予算積算ワーク)
参加者各自が簡単な事業をイメージし、予算積算を行いました。

■積算ヒヤリング
講師の平野積算をヒヤリングするロールプレイを行いました。
NPO法人の運営課題調査・研修事業に対して出てきた主な質問は・・・
【指摘事項】
○5人の会議に会議室賃借料5000円は高い!
○企画会議参加者・講師の旅費・交通費の算出根拠は?
○たった15人のために講師を遠方から呼ぶ必要はないのでは?
○調査報告書の配布先は?
○間接経費15%の根拠は?(現在の山口市ではまだ認められない)
○賃金の対象期間、調査3ヶ月、実施の2ヶ月も必要ないのでは?
など、単価を中心にした厳しい突っ込みがありました。

予算編成に向けては、しっかりした事業計画を作り、内容をシミュレーションしておくこと、単価計算をしっかりして積み上げること、賃金に対しての法制度(社会保険や雇用保険の対象の確認)を理解しておくことも必要なのだと改めて感じました。
(レポート わたなべ)

真剣に話を聞く参加者たちです。
講座の様子です