市民活動のチカラ(ドネーションパーティーでの講演より)

<吉田まりえさんプロフィール>
・NPO法人NPOふくおか 理事
・福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみん センター長

大学で建築・地域計画を専攻、コンサルタント会社等に勤務後、自治体において住民参加型手法を取り入れた地域ならではの各計画策定等を行う。
2004年よりNPO法人NPOふくおか理事に就任し本格的に市民活動支援に携わる。現在、多様な相談対応や講座・交流会を企画運営する他、最近では企業、行政などとの協働促進のためのコーディネート業務も行っている。

講演:『市民活動のチカラ』
★事例1 災害ネットワークで開催したありがとう福岡2007★
『ありがとう福岡2007』:今年3月21日に福岡西方沖地震から復興しましたということを全国の方に情報発信をした、災害活動のネットワークで開催されたイベント。

これまで福岡は災害が少なくとっても住みやすい!福岡に地震はないと勝手に思い込んでいた。まさかこんなことが起きるとは・・・
朝の11時ごろ。天神ビルの11階 立っていられなくて机の下に隠れるという体験を始めてした。机、キャビネットまともに立っているものはひとつもない。呆然として何か手をつけていいかわらない状態。

◆災害支援はこれまで水害に対応している程度であまりリアリティのない活動だった。これを機にいろいろな団体の活動が活発になった。
<災害支援のカタチ>
①現状復帰の手伝い
②募金活動
③長期的支援
・仮設住宅の人の交流
・仮設住宅の緑の癒しづくり

継続することにより災害支援の活動のネットワークができ始めた

『災害復興2周年になんかやろうよ!』
ついていくととんでもない目に合うのだけれど、旗を振ってくれる人は重要

これまで支援を受けていた人たちを巻き込んで、『福岡はこんなに元気になりました』と全国の支援者にメッセージを発信するため、3210個の灯明に点灯し、写真を撮って全国にプレスリリースする『ありがとう福岡2007』を開催(最初6団体15名程度でスタート。当日は200名ボランティアが参加)

◆『ありがとう福岡2007』の巻き込みのしかけ
○海側の被害が大きかったので、特産品のくじら飯、海鮮鍋、花を売って復興をアピールして観光客を呼び込みましょうと参加者に呼びかけ
○どうせやるのなら、もっと楽しく、カッコよく綺麗にしたいという一人一人のこんなことしてみたいを出来るだけサポート
○県や企業の啓発事業の巻き込み

◆参加者の効果
○人が集まったこと、売れたこと、おいしいと言われたことが嬉しい!
○自分にも出来ることがあったことが嬉しい
○行政・企業の人は組織で動くのは限界、呼び込みや寄附など同じ市民として自由に動ける場でチカラを発揮
やりたい人が手を挙げて集まるゆるやかなネットワーク成功のポイント
○参加の基本は個人!(結果目標に向かって頑張ろうという主体性・自主性が強くなる)
○中心になって意志決定する人、何かあったら手伝う人がお互いわきまえること重要!
○意見を言ったら汗を流す!
○役割分担、ルールは必要・・・でも柔軟に!
○自分達で動いていく、もし出来なくてもなにかしようと動こうとする気持ちを大切に!

このネットワークが、災害時のマニュアルを作るために打ち上げ付き合宿で継続している。

★事例2 勤マルの日★
企業に働きかけて、ボランティアをする人の発掘をしようという事業。もともと厚生労働省の委託事業。一般企業とNPOのマッチング
NPOや市民活動団体、ボランティア団体は会員を増やしたい。関心をもってくれる人増やしたい。私たちの活動を知ってもらいたい。こういう問題のあることを知ってもらいたい。でもボランティア活動のきっかけを提供したいけれど情報を提供できるルートがない。
一方企業では社会貢献活動をしたいけれどやりかたがわからないという相談が増えている。
企業で働いている人は自分の知り合いなどの一般市民。企業が関わることで、職員に積極的に情報を流してもらえる。活動を知らない人が知ることが出来る、関心はあるけどきっかけがない人を呼び込める。

◆ボランティア受け入れのポイント
○ちらしをつくり団体を広報
○会社でも、個人でも参加できる
○コーディネーターがいるので気軽に体験ができる
○社会貢献活動を広報したい企業に向けて自主活動が自由にプログラムできる枠がある
○親子・家族でで参加できるプログラム
○団体に対しての受け入れ指導
○企業開拓は経営者協会と一緒に動く
○漠然とやってみたいという人(ボランティアって何?市民活動って何?)をターゲットに一歩足を踏み入れてもらうことを目的
○気軽に誰でも楽しく達成感のあるほどほど感を大切に

◆市民活動のチカラ
市民活動の意義は『場をつくること』。思いはあるけれど、1人ではできないとういう人のきっかけが必要。いつでも誰かが思ったときにいける場、1人でも参加できる場をつくりつづけてもらいたい。必要としている誰かに出会うために・・・

笑顔で講演をする吉田さん。
2007ドネパ 市民活動のチカラ