特別企画展「「文学界」と中原中也―1930 年代の文芸復興」関連イベント ワークショップ『青山二郎の眼と手を真似ぶ』

装幀家としての青山二郎の仕事に触れながら、さまざまな「文様」を青山風にアレンジして描くワークショップに参加しました。

日時:2013年10月6日(日)14:00~16:00
場所:中原中也記念館
講師:荒瀬景敏(画家)
主催:中原中也記念館

月下の告白
 青山二郎に

劃然(かくぜん)とした石の稜(りょう)
あばた面(づら)なる墓の石
虫鳴く秋の此(こ)の夜(よ)さ一と夜
月の光に明るい墓場に
エジプト遺蹟(いせき)もなんのその
いとちんまりと落居(おちい)てござる
この僕は、生きながらえて
此の先何を為すべきか
石に腰掛け考えたれど
とんと分らぬ、考えともない
足の許(もと)なる小石や砂の
月の光に一つ一つ
手にとるようにみゆるをみれば
さてもなつかしいたわししたし
さてもなつかしいたわししたし

 (1934・10・20)