多文化共生啓発事業が1月25日をもって無事終了いたしました。今年度は多文化共生を目指す市民活動団体3団体と市国際交流課と連携し、啓発展示を市内3か所にて実施しました。
○はじまりは昨年度の円卓会議
外国人支援および国際交流活動に携わる市民活動団体と行政が勢揃いし、ネットワーク構築のために活動内容や課題を共有し合った昨年度の円卓会議。ほとんどの団体に共通してみられた課題が「日本人への情報発信」と「担い手の巻き込み」。外国人と日本人では伝えたい内容はもちろん、伝わる言葉や効果的な発信媒体も異なります。これまで培ってきた外国人へ向けた情報発信は継続していきながら、日本人への情報発信もネットワークを活用ながら注力していこうと結論づきました。
○哲学を基に共通認識を生み出そう!
山口といえばやっぱり毛利家。三本の矢のお話に倣い(!?)、今年度は各団体が個別に行ってきた情報発信を「啓発展示」という形で一本化し、団体情報が一括で得られる場をつくることにしました。
そこで、さぽらんて主催の「NPOのためのPBL講座」に団体と行政とがチームとなって受講し、「共通認識」を創出することに。講師の小川仁志先生に「哲学」を基にした発想力の鍛え方をご指導いただき、わたしたちが目指す「多文化共生」の在り方を再考しました。
そして、行き着いたのが「多聞加共生」!漢字をもじっただけに見えますが、啓発展示の基盤となる新たな概念を創りあげることができました。
「多聞加共生」
たくさんの人の話を聞き、たくさんの営みに参加し、お互いに関心を持つことで、お互いがやさしく幸せに暮らせるようになること。
○大切なのは“来館者目線”
啓発テーマとして打ち出した「多聞加共生」の「聞く」「参加する」を意識し、世界をもっと身近に感じられるような展示内容を考える円卓会議を2回実施しました。1回目には多文化共生に関心のある市民の方、また他分野の啓発活動に取り組まれる市民の方にもご出席いただき、来館者視点の意見やアドバイスをいただきました。(言語オタクのスタッフ畑中案「外国語で名札をつくろう」は即却下(苦笑))
◎「ワールドトラベル展inやまぐち」開催(11月21日~12月4日、会場さぽらんて)
おそらく市内初!市民活動団体・行政・センターの合同開催の多文化共生啓発展示を2週間、さぽらんて会場で行いました。ちなみに「ワールドトラベル展」は国際交流課の中村さんが命名!漢字が5つも並ぶ「多文化共生」よりも親しみやすい雰囲気となり、フラッと立ち寄ってくださった来館者の方も多くいらっしゃいました。
・目玉展示「みんなでつくる世界地図」
縦1.2メートル、幅3メートル超えの真っ白で巨大な世界地図に、外国について知っていることを書きこんでもらう参加型の展示。世界をより身近に感じてもらえるよう、海外での実体験だけでなく、インターネットやテレビ等で知ったこと、山口で体験した外国文化など、知っていることは何でもOKにしました。
2週間の展示期間で集まった情報はなんと66か国192件!
・団体展示
日本語クラブ山口、国際交流ひらかわの風の会、青年海外協力隊山口県OB会、山口市国際交流課が活動の普及啓発展示を行いました。マスク姿での活動の様子からは、コロナ禍でも支援や交流の機会を必要としている外国人が多くいることが伝わりました。
・インタビュー動画の放映
各団体に紹介してもらった外国の方へ、さぽらんてが突撃インタビュー!国籍も滞在理由もさまざまな方に、山口に来て驚いたことや母国との違いについて教えてもらいました。
Youtubeでもご覧いただけますので、ぜひご覧ください!
・多文化共生Instagramアカウント開設
多文化共生に関連する市民活動情報が、より多くの人に届くようInstagramアカウントを開設しました。会期中は日々成長していく世界地図の様子を公開していましたが、会期終了後は団体活動の様子やイベントのお知らせをアップしています。「多文化共生」「国際交流」にピピっときた方はぜひフォローしてくださいね♪
○お出かけ多文化共生
さぽらんて会場の他、阿東地域と小郡地域でも出展しました。多文化共生を目指す団体と異なる分野、地域で活動している団体に協力していただけたことで、多文化共生の輪が更に広がるきっかけとなりました。NPO法人ほほえみの郷トイトイさん、小郡図書館友の会鉢の子さん、本当にありがとうございました。
・阿東地域「あそべる楽校」で世界地図出展!
「あそべる楽校」は、NPO法人ほほえみの郷トイトイが主催している、阿東地域内外の住民・企業・学生の阿東地域での交流を目的とした定期イベント。
11月13日はさぽらんても、山口県国際交流協会、山口県JICAデスクの「世界を知る教室」ブースで出展させていただきました。山口県JICAデスク企画の留学生との交流プログラムの中でも世界地図を活用してもらい、留学生ボランティアの母国に関する情報が多く寄せられました。
・小郡地域「多文化にふれる図書館関連企画展示」に団体活動出展
小郡図書館友の会鉢の子主催の「多文化にふれる図書館講座」に関連した企画展示として、1月4日~25日までの期間、小郡図書館の児童図書コーナーに団体活動の様子を展示させていただきました。在住外国人が増加傾向にある南部地域。展示を通して、各地域の共生の第一歩が生まれればと思います。
インターネットが通じ、さまざまな国や地域から人の往来がある今。趣味や好きなものを超えて、あなたのもっと身近に世界が広がっているかもしれません。その世界の存在を知った時の「知らないから不安」という気持ちが、「知らないから知りたい!」に変わっていけば、国籍や文化を超えて誰もが住みやすいまちになっていくのではないでしょうか。その一歩にそっと寄り添えるような支援を継続していきたいと思います。外国人住民との交流のきっかけをつくりたい団体・地域の皆さん、ぜひ一緒に「多文化共生」を目指していきましょう。
<試しに買ったココナッツミルクの使い方がわからず困惑の担当:畑中>