7月10日(火)さぽらんてにて被害者支援センターさん主催の『犯罪被害者支援員養成講座』が開催され、飛び入りで受講させていただきました。
講座は全3コマ。
★1コマ目★
学校教育における人権教育 10時~12時
講師:霜川 正幸 氏 (山口大学 准教授)
今、学校現場ではどのような人権教育がなされているか
みなさんはご家庭で、お子さんとそんな話をなさいますか?
講座のはじまりは「家庭教育」からでした。
人権は社会の問題であると同時に一個人の問題でもある。
だからこそ、学校だけでなく家庭でも「人権教育」は大事なのです。
家庭では意識して人権教育をあまりしませんが
日常生活の中で自然と身についていきます。
子どもは本能的に親を真似ます。我が家でもそうです。
家庭での「言動」は子どもにとって教科書そのもの。
気を付けなくては・・・・
そして学校現場では
人権に対する知的理解を深め人権尊重の実践化を目指しているそうです。
「命の尊さ」「かけがえのない命」ということは、みんな知っている。
それを実践することが難しいのだと!
今の子どもたちは、攻撃に負けがちだと講師は言われました。
霜川先生が講義をする教員志望の学生たちの多くが
いじめをしたことも、されたこともあると答え
いじめられた時の対処として「耐える」ことを選ぶ学生が多いそう。
ひたすらいじめが通り過ぎるのを待つ。
それが耐えられなかった子は「死」を選ぶ・・・
学校教育で今、大事なのは
いじめや差別をはねのける力をつけること。
そのために人権の課題や本質、現状、これからどうあるべきかを学校やだけでなく
地域や親が共有して、子どもに伝えていく。
参加者のみなさんは学校と連携して、相談支援が行えるようにと
熱心に聞き入っていました。
★2コマ目★
「支援に関わる社会資源~社会福祉士との連携~」13時~2時半
講師:杉山 美羽 氏(社会福祉士)
現在、杉山さんは社会福祉士として県立大学付属の地域交流センターYuccaでコーディネーターとして
多様な相談業務をなさっています。
自己紹介を兼ねて小さな集落「ムラ」での生活の経験を語ってくださいました。
相島での鍵もかけない良くも悪くもなにもかも丸見えの生活から一転
外も一人で歩けないようなインドネシア生活。
どちらも、小さな集落でありながら、人も犯罪も何もかも違う環境。
現在、山口県において犯罪被害者の分野で支援をする
社会福祉士はあまりいないそうです。
一方で、加害者支援はあります。
更生にまつわる支援はもちろん、出所後の生活や住居の支援まで。
杉山さんから受講者の方に逆質問がありました。
「加害者の支援に対する率直なご意見が伺いたい」
今回受講の犯罪被害者の相談員の方の中には
犯罪被害の当事者も多くいらっしゃいました。
複雑な想いを抱えながらも
犯罪被害者をなくすためには、再犯を防ぐことも大事なので
そのための加害者支援の必要性について話してくださいました。
加害者のしたことを思えば「こんなやつ・・・・!!」と言う思いや
被害者に寄り添って支援すればこそ、湧き上がる感情。
個人の思いと相談員としての思い。
当事者にしかわからない思い。
被害者の苦しみを伝えることが再犯防止になるなら
社会に戻る加害者を更生に導くことが被害者を生まないことになるなら。
そう言われた参加者の強い思いが印象的でした。
人権について考え、犯罪被害について考えるとき
痛みを知ることは重要なことなんだなぁと
改めて実感することができました。
個人の人権感覚を研ぎ澄ますこと。
まずは自分の子育てを振り返ることからはじめようと思います。
※3コマ目の「弁護士による被害者支援について」は
残念ながら受講できませんでした。
特定非営利活動法人山口被害者支援センター(現:公益社団法人山口被害者支援センター)さんの情報はこちらから
さぽらんてスタッフ おだ