第3回さぽカフェ(12/11)レポート

ひきこもり問題を解決するために私たちができること

5月と6月に“ひきこもりから社会とのリコネクション(再接続)を考える”というテーマで展開したさぽカフェ。その後提起者である支えてねットワークは、新たなひきこもり支援のしくみを模索するため、秋に医療機関等への実態調査アンケートを行いました。その結果を報告したいということで、今回は報告会と兼ねて3回目のさぽカフェを開催する運びに。

調査のご縁で県のひきこもり担当課や病院関係者も加わってくださり、参加者は総勢15名。
アンケートの結果、山口市に約1,800人いると推定されるひきこもり者のうち、2017年度に新規相談につながったのはわずか5%。しかもそのうち46%が相談を中断しているということが分かりました。
現状として、例えば就労相談の窓口では出向いた時点でひきこもりではないと見なされたり、同じ理由で医療機関では精神病患者として見なされるなど、機関によってひきこもりの捉え方、認識にずれがあることも課題として浮かび上がってきました。
さぽカフェの会場の様子ですその1 発表している支えてねットワークの担当者です

 

 

 

 

内容を深めるためのワーク

報告会後、参加者は2つのグループに分かれてワークショップ。
テーマは2つ、『相談が中断した理由』『相談を中断させないための対策』。
どんな意見がでたかをかいつまんでご紹介します。

『相談が中断した理由』

  • 支援の役割が明確に示せていない
  • 行き場、利用場所がかぎられる
  • 支援者同士のつなぐ意識の低さ
  • ニーズにマッチしなかった
  • メリットを感じてもらうことができるサービス提供ができていない

『相談を中断させないための対策』

  • 安心して失敗できる環境づくり
  • 本人の思いを尊重できるような体制づくり
  • 支援の情報を集約し、DB(データベース)化
  • 支援者のスキルアップ
  • 働くか働かないという選択だけでなく、多様な生き方があることの発信

Aグループの話し合いの様子です Bグループの話し合いの様子です

 

 

 

Aグループ内での発表の様子ですBグループ内での発表の様子です

 

 

 

 

 

ワークショップを通じた理解

最後に2グループそれぞれに出た意見を発表してもらい、共有しました。情報交換を通じて、関係機関だとは知っていても、互いの役割を具体的には理解していなかったということがよく分かりました。そのことが分かっただけでも一歩前進!
原因もさまざまなら対処法もさまざまな、ひきこもりという大きく深い社会課題。魔法のように一瞬で解決できる答えはありません。
今回参加者からいただいた意見、アイデアをもとに、年数をかけてじっくり向きあい、きちんと連携できる体制作りなどにつなげていけたらと思っています。

(さぽカフェ担当 川上)