2010.6.13(日)10:00~15:00 さぽらんてにて、
『映像を使ったPRに挑戦してみよう!
講座「イントロダクション」&「テレビ番組を分解しよう①」』
が開催されました。
団体は、てごのて、メディエーター、Yan、山口せわやきネットワークの4組、市民は5名、合わせて14名の参加がありました。
「映像を、どういうふうに市民活動で使うことができるのか、作る側になって考えてみよう」
をテーマに、10月までの5回連続講座となる今回の講師をつとめるのは、会田大也さん。
YCAM(山口情報芸術センター)で、「教育普及担当」というお仕事をしています。
ご本人いわく、「映像の専門家ではなく、わかりやすく解説する専門家」。
携帯やパソコンなどで、映像を使って活動を紹介していくのが、今回の講座の目的です。
市民活動団体がどんな活動をしているのか、あまりわからない、見えてこないと言われます。
これを見えるように=見える化すること。そのために映像を活用していこうというわけ。
「難しいことやります」と会田さん。でも、楽しそうです。
■ゲームみたいな自己紹介
まずは、自己紹介を兼ねて。
参加者のみなさんに、写真を3枚もってきてください、とお願いしてありました。
この写真それぞれに、2~3センテンスの分量、だいたい30秒以内でしゃべれる文章をつけてみます。なぜこの写真を持ってきたのかがわかるような内容の文章です。
みなさん、それぞれ説明文を考えます。その間に、全員分の写真をスキャニング。
お茶を飲みながら、参加者のみなさん、なにやら盛り上がってます。
すでに和気あいあいとした雰囲気です。
準備ができたところで、ひとりずつ、写真を見ながら説明していきます。
好きなものや活動していること、考えていることなど、写真からはいろんな情報を受け取ることができます。
しかし、写真をみただけでは、なんのことかわからなかったこともあります。それは、説明を聞くことで明らかになっていきます。
たとえば、グローブがふたつ並んだ写真。色が全く違います。違う種類のグローブかなあ、と思いきや、聞けばふたつは同じもの。小さなころからずっと使って、真黒になってしまったものと、最近買った新しいものという違いがあったのです。これは、説明を聞かなければわかりません。
■映像(ビジュアルイメージ)と言葉というもの。
写真とセットの自己紹介をすることで、セルフイメージ(自分がもつイメージ)ではなく、それとは違う情報(写真のイメージ)が伝わります。
グローブの例のように、写真だけではわからないことも、言葉があることで伝わっていきます。
逆にいうと、写真だけで語るのは難しい、ということにもなります。
・暴力性
「こういうイメージだ」と、自分が思っているものと、他人から見えているものには落差があります。人にものを伝えるときは、それを覚悟のうえでやった方がいい、とのこと。
・相補的
言葉でいえないこと、言い切れないこと→イメージで伝える
イメージで足りないこと→言葉で表現
この関係が、よい関係です。
真実をまげて伝えることもできてしまいます。
便利なものには危険もあるということも、知っておくべきことです。
ここで、午前の部は終了。お昼休みです。
■“よく”みてみよう
お腹もいっぱいになったところで、午後の部スタート。みんなで、ある映像を見ました。
ただ見るのではなく、“よく”見ていきます。それはつまり、分析的にみる、ということ。
他の人が見落としそうなところ、これは気付かないだろうというところを探します。
そして、気付いたところを書き出していきます。
見終わったところで、気づいたところを各自発表していきます。
ちょうちょがとんでいた、いやあれは鳥だった、とか、最初の目は右目だった、いや左目だった、とか。
みんなの発表を聞いていくなかで、同じことでも受け止め方が違うこと、自分には見えないのに、他の人に見えているものがこんなにもあったんだという驚きがありました。
逆に、気にとめてなくても、入ってきている情報があるということもわかりました。
これはたとえば、ニュースなどで背景から季節がわかったりすること。
気がつかないうちに、いろんな情報が入ってきていて、無意識のうちに判断しているわけです。
つづいて、同じ映像をもう一度見ながら、わかったところをメモしていきます。
ポイントがわかっているので、最初ほど集中しなくても、内容が頭に入ってきます。
1回目はとても疲れたのですが、2回目はそうでもありませんでした。
■まとめ
自分が撮るとき、何を頼りに撮影していけばよいのか?
ひとつの解決方法として、よくみる経験は参考になったり、力になります。
考えずに情報をうけとっていたら、それはたぶん無理です。
映像は世の中にあふれています。みることはいくらでもできます。
気づけることは大切です。気づいた知識が力になるのです。
次回は、ムービーメーカーを使って、実際に映像の作り方を学んでいきます。
どう作れば効果的か。リュミエール・ルールでの映像ワークショップを予定しています。
ブログの中で、生きる映像をめざしましょう。
午前、午後と長丁場の講座でしたが、とても楽しく学べました。
前半の自己紹介では、ふつうの自己紹介より、みなさんの人となりを感じることができました。
後半の映像分析の共有は、そんな見方があったのかという発見は、新しい感覚でした。
これから、時間をかけて丁寧に続いていく講座の中で、どんな作品ができていくのか、とても楽しみです。
市民広報記者 かきたとも