NPOトークサロン報告Vol.1 ☆NPO法人ふれあいの家鴻の峯☆

10月20日(土)の午後特定非営利活動法人(以下「NPO法人」)3団体を招いてNPOトークサロンを開催しました。
NPO法人が増えている中、どんな団体がどんなきっかけや思いで活動しているのか、抱えている課題も共有できておらず、集まる場もないのが現状です。
参加してくださった三つのNPO法人はいずれも、任意団体からの活動を合わせると10年以上の活動歴があります。
広く市民活動団体全般を支援してきたさぽらんてですが、今回始めてNPO法人に特化したトークサロンを開催しました。NPO法人に対しての市民の『なんとなく知っている』のイメージから具体的なイメージになることを願い皆様にもお知らせしていきます。

■NPO法人 ふれあいの家鴻の峯
【活動目的】
障害者基本法の基本理念に基づき、住み慣れた地域での安心した暮らしを実現することを軸に障害者保健福祉の普及及び啓発事業などを行い、もって障害者福祉(主に精神障害者を対象)の施策の充実に寄与することを目的とする。

【NPO法人取得までの流れ】
昭和53年 在宅障害者日中の居場所づくりを目的として、山口地区精神衛生家族会わかば会としてスタート
昭和58年 山口地区精神衛生家族会発足(平成3年山口地区精神保健家族会に改名)
昭和60年 維新公園内に第1共同作業所を開設し、公園の清掃開始
昭和62年 山口地区通所施設「ふれあいの家鴻の峯」を開所
平成 6年 JR大歳駅前に移転。山口地区第2共同作業所開設
平成17年 NPO法人設立(障害者自立支援法施行に伴いNPO法人化を選択)
平成19年 地域活動支援センター「山口地区第1共同作業所」「山口地区第2共同作業所」としてスタート

【法人格取得に向けて大変だったこと・変わったこと】
家族会という近隣のネットワークがあったので、情報交換をしながら、法人格取得を進めることができたが、法人格はとったもののさてこれからどうしようといったところ。初年度は、事業報告を出すことを忘れてた!県庁、税務署、法務局などに提出する決められた事務処理が最初は大変。2年目になって慣れてきたところ。精神保健家族会も高齢化し、人材不足が見られたが、法人の理事に外部の専門家を加え、現在「就労継続支援B型」移行に向けて準備中。

【抱える課題】
通所者の支払い工賃アップ。ただでさえ少ない賃金から障害者自立支援法により、利用料を1割負担してもらわなければならない現状。最近は、頻繁に作業所利用の問合せがあり、ニーズは拡大しているが仕事は増えていない。国は、工賃倍増計画をうたっているが、理解のある企業との出会いがないとなかなか難しい。団体としては、企業へ理解を求める働きかけや協力企業の開拓が必要と感じている。現在の小規模作業所(地域活動センターIII型として補助金)から「就労継続支援」への移行すると該当しない利用者が出てくる。在宅の障がい者が負担が少なく気軽に通所できる「通所施設」の継続も必要となる。

【活動を継続している理由】
障害者自立支援法の施行に伴い、当時者の置かれている大幅に変わって、利用者の一割など、今後も国の方針がどう変わるのか注視していかなければならないと思っている。施設長をはじめ多くの人々の協力をいただきながら、一つ一つ乗り越えている。大変なこともあるけれど、自分自身が磨かれていると感じ、関わることが生きがいになっている。

【これからの夢】
NPOには関わり続けたいと思わせる魅力がある、大変だけど作業所の改築や地域へのPRなど夢は広がる。

【参考資料】
◆山口県の精神保健福祉手帳所持者数の推移
山口県    手帳所持者  人口   人口比
平成15年度 3,833 1,510,401   0.254%
平成16年度 5,073 1,503,607   0.338%
平成17年度 5,935 1,491,264   0.398%
平成18年度 6,754 1,482,016   0.456%
平成19年度 7,438 1,473,994  0.505%
≪山口県統計年報から≫

◆山口市の精神保健福祉手帳所持者数の推移
手帳所持者  人口   人口比
平成16年度 498 140,752   0.354%
平成17年度 590 140,284   0.421%
平成18年度 842 192,030   0.438%
平成19年度  1,049 191,992   0.546%
≪山口市高齢障害課より情報提供≫

ふれあいの家鴻の峯杉山さんと太田さん。
ふれあいの家鴻の峯杉山さんと太田さん