2024年2月11日に、2024年度のSDGs事業「COOL CHOICEチャレンジコンテスト」の振り返り企画として、一般社団法人全国ご当地エネルギー協会主催の「脱炭素まちづくりカレッジ」を開催しました。
同コンテストでは、個人レベルでできることを応募していただき、日ごろからできることを市民のみなさんにシェアすることができました。しかし、市民一人ひとりの意識だけでは脱炭素化社会を変えていくことは容易ではありません。
この脱炭素まちづくりカレッジで、カードゲームを通じて、市民だけではなく、企業、行政、団体などあらゆる立場の人が協働することの必要性を学ぶことで、現実に危機感を持ち、脱炭素への意識向上を図っていけたら…と、24名のプレイヤーがさぽらんてに集結したのです!
ファシリテーターは同協会の阿部昭彦さん。
まず初めに、日本の温室効果ガス排出量は世界で5番目に多いこと、一人当たりのフードマイレージは日本は何と世界一であること、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるために2030年までに温室効果ガス排出量を半減させないと災害が日常化し、さらには水不足や食糧危機、感染爆発、文化消滅に陥ってしまうという危機に瀕していることを学んでいきました。
そこで、どうすれば2030年までに温室効果ガス排出量を半減できるのか?を実体験してもらおう!ということで、プレイヤー24名によるシミュレーションカードゲーム「脱炭素まちづくりplay!」が始まりました。
二人一組になり、IT企業、スーパー、ごみ処理場、農家、金融機関、行政、行政広報など12の役を担い、それぞれに配布されたプロジェクトカードと資金を元に、個人目標に向けてさまざまなプロジェクトを実施していくものです。
私の役は「建設会社」だったのですが、説明を受け、最初は何をしていいかよくわからないまま1ターン目、開始。
割り振られた資金とプロジェクトカードを見て、とりあえずこれをやったらいいのかな?と、予算内でできるプロジェクトを実施しました。
プロジェクトを実施(阿部さんにカードを渡して入力)すると、100%だった温室効果ガスメーター(赤い数字の部分)が下がっていきます。これを地域みんな(ここでは12チーム)で力を合わせて50%にしよう、というのが目標なのですが…。
これがなかなか下がらないんです💦
2ターンが終わるころにどうやったら数値が下がるのかを考え始め、3ターンが終わるころ、ようやく自分の役割でどのプロジェクトを実施すべきかを考えることや、地域みんなで協力してプロジェクトを遂行しないと数値は下がらないということがわかってきました。
そして「行政さん、お金ください!」とか「このプロジェクトはあなたがすべき。交換しよう」など、プレイヤーが声をあげ始めたのです。
最後の4ターンが終わる時は、現実世界では2030年。
この時までに50%に達成しないといけないんです。時は待ってくれない。先延ばしはできません。
結果、全体では65%と、温室ガス排出量半減を達成することができませんでした。
残念・・・。
最後に、私たち地域で行っている実際の取り組みを山口市環境政策課、さぽらんて×山口市協働推進課、非営利型株式会社市民エネルギーやまぐち㈱より発表していただきました。
今回プレイヤーとして参加した私たちが、このようにそれぞれの役割を担い、それを市民が知って広げていくことが重要であると、身をもって学ぶことができました。
「もっと早くから協力してプロジェクトを達成しておけばよかった」
「リーダーの声に耳を傾けることが成功への近道だったと気づけばよかった」
「もう一回やったら50%いけるはず!」
そんな声が聞こえてきましたが、もうやり直しはできません。
これは現実でも同じことが言えるのではないかと思うのです。
幸い、まだ2024年。
2030年まであと6年(3ターン分?)ほどあります。
今回、参加されたみなさんが、単一の所属の人だけではなく、行政、企業、団体など多様な所属だったこともあり、これをきっかけにいろんなところで脱炭素への意識が広がるのではないかと思っています。
そして、さまざまな場でこのカレッジを開催するなどして、身近に感じられるチャンスを作ってもらいたい。
ゲームでは65%でしたが、実際には50%を達成できるよう、市民一丸となって脱炭素まちづくりを実現していきましょう!
【さぽらんて 藤岡】